ナビ
- 加藤 誓(ちかい)
- 2022年5月25日
- 読了時間: 3分

車にナビがない時代では、初めてのゴルフ場の場合は
事前に道路地図を 片手に下見をしたものである。
目印となる建物や、道路脇の赤いポスト、 川や橋の
風景を頭の中にたたき込むのだ。間違いやすい所は何回も繰り 返し行き来するのだ。
それが逆に禍となり、間違えた道の景色も覚えて しまって、見た景色だから正しい道だと決めつけ又、間違いをしてしまうことなどもあった。
ゴルフ場に向っているある朝、渋滞に会った。
その時、地元の車とおぼしき3台の車が、揃って 脇の道路に曲がって行った。
「よしやぁ!地元の人しか知らない渋滞を迂回する道路に間違いない。 ついて行くぞ!」と3台の車を追っかけた。途中までは旧道のようであったが突然、急な登り道に なった。突き当りで3台の車が止まり正装し花束を持った人たちが車から下りてきた。
お墓があっ た。私の車を見付け、「おたく、どなたさん?」怪訝そうに尋ねられ、慌ててUターンし元来た道 を逃げるように帰った。
迂回路での同じ失敗はまだある。軽トラは通常地元の方であることが多いので、それに
付いて行 ったら、その軽トラは突き当りの大きな農家へ入って行ってしまい、頭を掻き
掻きUターン!
ナビがない時代は、他人の車の動きもナビ情報であった。
今の車のナビは本当に便利でありがたい。
初めてのゴルフ場でも下見も要らず、所要時間までも 教えてくれる。
事故や渋滞情報の画面ナビはもとより、「その先に一旦停止があります」「近くに学 校があります」「30キロ区域に入りました。注意して運転ください」「目的地は左側にあります」 それだけでなく、「今日は、6月3日金曜日、測量の日です。お母さんの命日です?」そこまでは 言わないけれど! 女性の綺麗な音声でのナビ。
さらに「ネズミ取りレーダー探知機」その上「ドライブレコーダー」も車に付いている。
これらがなかった時代から見ると、今のナビの機器は、想像もできない程、進歩している。 それでも「このナビ、いつも遠回りを指示し間違う!」「ETC 出口を知らない!」とか、はたまた 「同じ所を回る!ナビの馬鹿!」と不完全な面もある様でナビの指示を無視するのである。 そんな時は同乗者に「済みません。口(くち)ナビお願い!」とやはり、
人ナビは機器ナビより 良い場合もあるようだ。
ところで、家にもナビがいる。
「ゴロゴロしてないで、風呂場へ行って掃除!私、買い物へ行く から!」
「シーツ交換するからそこの端を持って!そこじゃない!あっちの端!」
「そこ、掃除する から、あっちへ移動!」
このナビには、間違っても、ナビいた方が良い。
ナビのご機嫌機能が壊れては困るからである。
逆に決してナビいてはいけないナビがある。
歩きスマホナビなどの、あの世へのナビである。 まだ早いとスイッチを切りましょう!
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