日本酒
- 加藤 誓(ちかい)
- 2022年9月25日
- 読了時間: 4分

10月1日は「日本酒の日」である。燗酒が旨くなる時期がやって きた。
この50年間、日本酒を本当に多く、そして、沢山頂いた。
飲んだ銘柄を北からあげてみる。
北海道の「男山」青森の「田酒」はお燗をつけたら、うまい酒。 四十路のふっくらとした女性の様な山形は酒田の「上喜元」と
天童は「出羽桜」。
何と言っても新潟は、酒どころ。見目麗しき二十歳の万寿千寿の「久保田」から 三十路のふっくらとした「八海山」。
一時プレミアが付いた味わい深い「越乃寒梅」「雪中梅」「峰乃寒梅」。
あっさりとした味なら「上善如水」。(じょうぜんみずのごとし)
宮城はすっきりとした「一の蔵」と塩釜の「浦霞」。
外連味(けれんみ)のない若い男のような酒は、 富山の「立山」と長野は諏訪の
「真澄」。

加賀の魚料理に合うのは芳醇な「天狗舞」。
一般的に上品でうまい酒は雪国である。
日本酒の発酵に大事なひとつは、大きく変動しない
適度な湿度と気温で、 雑菌が生えないことが大事である。
空調設備のない昔、その条件に一番適していたのが雪国
だったのだ。
酒造りのプロである杜氏(とうじ)も殆どが東北出身である。
大部 酔っぱらって来たが、もう少し梯子酒に付き合って下さいね。
次に酒の三大産地と言われるのは、京都の「伏見」、兵庫の「灘」広島の「西条」である。 「大関」「白鹿」「菊正宗」「剣菱」に代表される「灘」は
ミネラルウォーターである 硬水で男酒と言われ、
「月桂冠」や「黄桜」、宝酒造の「松竹梅」などの「伏見」は 中程度の硬水で
女酒と言われている。
この二県の造り酒屋は資本金も大きく、大量に醸造されているが、 あちこちの酒蔵から酒を購入している「ブレンド酒」でもある。
「加茂鶴」「福美人」に代表される広島西条の酒も中程度の硬水の女酒である。
「酔心」は西条ではなく、三原の酒で軟水である。
四国の酒は、高知「酔鯨」と「司牡丹」。
それよりも、高知といえば「はちきん」なる酒豪女性や「ベク杯」など
独特の 酒文化が 有名である。
日本酒の南限と言われたのが、熊本阿蘇の「美少年」。
やれやれ、お酒に興味ない方には、お付き合いも大変でこれが酒飲みの悪いところ!

そうそう、広島に居た時、高級な「空」「超」「然」を料理屋で頂いた。
名古屋に住んでから愛知県の酒であったのを知った。
今は、大吟醸ブームであり、
岩国の「獺祭」や山形の「百光」が 有名であるが、
私は、佐渡の北雪酒造の紫の瓶「YK35」が 最高であった。
Y は大吟醸の香り付けの定番の酒米「山田錦」35は酒米の砥ぎ歩合、 K は酵母(熊本研)を表すが、これが大吟醸の基本である。
酒米には、「山田錦」の他、岡山の「雄町米」や「朝日米」などが有名である。
広島時代、好んで飲んでいたのは愛媛の「梅錦」。
別嬪ではないが、飽きが来ない酒である。
名古屋では、知多の「ねのひ」や「国盛」飛騨の「蓬莱」多治見の辛口「三千盛」を
愛飲。
日本酒は、氷酒から冷酒、常温からぬる燗、鈍燗、熱燗とあり、
「大吟醸は冷酒」の様に、酒の種類でおいしい適温がある。
ところで、居酒屋では燗をよくレンジで「チン」するが「徳利の口」の所が
熱く チンチンで注ぐことが出来ない時がある。
お湯での燗ではそんなこともなく、始め、ぬる燗、後、熱燗などと情緒あるものである。
「金賞受賞祝いの席」に参加した。回り持ちみたいな賞であるが、それなりに、
杜氏、酒米、酵母にこだわらなければならない。
品評会用に自然にぽたぽたと落とした酒(20 升)と ぎゅっと絞った酒とでは、
同じ樽でも全く香り、味、色が異なるのである。
しかも受賞すると、その年は、品評会用とは異なる他の製品に 「金賞」のラベルを
ペタペタと貼ることが出来るのだそうだ。インチキ!?

倉敷の森田酒造から特別に樽の上澄みの酒を分けて
もらったことがある。
香りが強く飲み口も最高。
しかし、悪酔いもし易い。銘は「荒ら走り」と言う。
このように同じ樽でも取り方で酒は異なるのである。
やっと最後になりました。
「酔っ払いのお付き合いはくどくて、大変ですね。
ごめんなさい!」
と言いながら酒飲みは勝手に寝てしまったのだ。
お酒のこと とても良くご存じですね。日本酒はやはりお酒の中で一番美味しいですね。お料理にも合うし。私は人肌のお酒を 美味しいお料理といただきたいです。夫の古い親戚が白鹿で 辰馬の印の入った箱があります。これからの季節 日本酒が益々美味しく感じられますね。どうぞ飲み過ぎにはご注意を。