top of page

「さかな」がいない



今年の初サンマの競値が、1匹(125g)2万5千円と新聞に

載っていた。落語の「目黒のサンマ」に出てくる殿様しか

食べられない値段である。

そういえば、最近「さかな」の美味いのを食べていない。

スーパーマーケットに出向き魚コーナーを見ることにした。

 先ずは冷凍、「深海魚のアカウオの切身」グリーンランド

「からすカレイ」デンマーク「メカジキ」台湾「太刀魚」

オマーン「紅鮭」アラスカアルゼンチン「マツイカ」カナダ

「剝きエビ」インド・ミャンマー。

続いて加工品「サバ西京焼き」ノルウェー「塩サバ切身」

イギリス「アサリ」中国。

 まるで世界地図の勉強をしているようだ。

乾燥魚でやっと、国産があった。

「ホッケの開き」北海道「いわしの丸干し」愛知。「ちりめんじゃこ」の量は以前の

半分であった。

 生魚コーナーは当然国産であるが、生のサバやアジ、イワシの姿が見えない。

鯛、アユ、ハマチは養殖ものである。

昨年も食べた、脂のない小さな「解凍サンマ」1匹180円を見つけた。

小ぶりの「キス盛り」もあったが、どちらも買う気にならない。

刺身コーナーを覗くと、量が少なく、どれも500円台。イカの量が誠に少ない。

ウナギのかば焼き2800円台。これではだめだと別のスーパーに行ってみた。

冷凍・加工品は前のスーパーと似たり寄ったり。

生魚コーナーに広告の張り紙が。

「仲買さんから助けてくれと頼まれ、安く仕入れました。お買い得です」

その先には島根産の小さな「スルメイカ」4匹セット500円。「ハマチ2切」

600円。これも、買う気になれない。

 もう1軒のスーパーに行った。

 ここには焼さんま」400円、「骨切りハモ1匹」「あなご1匹」どちらも

美味しそうであるが、値段が高い。

 結局、3軒のスーパーに行ったが、私に合う「さかな」がいなっかった。


温暖化の所為か漁場が遠くなり、重油が高騰、どこかの国の乱獲でイカやイワシ・

サンマの減少、運送費の高騰等など、漁業関係者には大きな問題となっている。

漁は博打でもあり、少々の漁獲では採算が取れず、赤字となる危険性が付き纏う。

その上、原発事故の処理水が放出される風評被害。

このままだと、「日本人のさかな離れ」が益々、進んでしまい、悪循環となる。


 以前のように「国産のさかな」を皆が「食べる」「食べられる」様になるのを

願い「魚へん」の漢字を眺めた。



 
 
 

2 Comments


Guest
Aug 26, 2023

以前は魚屋さんで生きの良い魚を目の前でお刺身や切り身にしてもらっていたのに 最近はスーパーでパック入りで買うことが多くて美味しくなくなりましたね。夏は鱧がいただきたいのに 東京は売っていないので通販で購入しています。最近は 放射線水を海に流すことで 安心とは言うけれど漁業に従事している方にとっては気持ちの良い事ではありませんね。

まだまだ暑い日が続くようですので お体ご留意ください。奥田英子

Like

Guest
Aug 23, 2023

買いたいと思う魚がないです。海の中の食物連鎖を人間が破壊してしまっているので、今後ますます魚が食べられなくなるんでしょうね。

Like
bottom of page