top of page

あの世(Ⅱ)

更新日:2022年6月21日


我がスマホからいつでも ラインで閻魔大王秘書と連絡することが出来ること を確認した。メールを送るが時差があるようで、丑三つ時に返事が返ってくる。

コロナとウクライナ侵攻の所為か、あの世の役所も多忙な様で、私のメールの 返事も滞って時間が掛かっているようだ。

だが、お盆の時は、極楽の住民も里帰りで、あの世は暇になる はずなので「お盆での極楽観光」の依頼をした。勿論「県民割 キャンペーン」は後世にツケが廻り悪影響あるので私は 利用申請をしなかった。

  返事が来た。盆前であるが、前回の続きから、ご案内するとのこと。

 多数の人の行列が「東京駅風の役所」に入ると、まず何故か「コロナワクチン接種 会場」に案内され、その後戸籍謄本と閻魔帳で本人確認を済ませ「マイクロチップ」 を体内に装着される。

これは、あの世では、必須でその本人の行動できる範囲がこの チップでコントロールされることになる。

 例えばこの極楽で勝海舟に会いたいと思っても、祖祖父に会いたいと思っても 会うことが出来ないのである。

 自分が会った人以外は会えないようにセッティング されているのだ。

 ただ、会いたくない人には絶対会わないようにもセッティングされ ている。

 このチップの良い所は他にもある。

 会いたいと思えば、時空を超えて極楽にいる仲間とは連絡し会えるのである。

  以前の釣りメンバー、ゴルフメンバー、麻雀メンバーがいつでも揃うのである。

「久しぶり!元気だった!」ここは、極楽、元気であった筈がない。でもこの挨拶 から

始まるのだ。

 釣りの漁果も生前と全く同じ。ゴルフの成績も同じ。麻雀の成績も 全く同じ。

でも、間違いなく楽しいのだ。

 「釣ったぞ!この鯛 60cm 越え。どうだ!」 釣れない私は、悔しがる。

 ゴルフで「やった!エイジシュート!」私は、2 倍年齢の スコア。

 雀荘で「やった!国士無双自模った!」「えっ!揃ってない。それチョン ボ!」

「わぁ!しまった!」それでも楽しいのである。

 

 突然、雀荘が大きく揺れ出した。金曜日15時前、極楽のテレビで東日本震災の 再来の報道が映し出された。

 極楽で何故とは思ったが「ひゃぁ!」とベッドから 落ちて目が覚めた。

 

これからが、スナックへ皆と行ってカラオケなど楽しい時のはずなのに!


子供の頃の紙芝居と同じ

      「この後の話は、乞うご期待!」


 
 
 

Comentarios


bottom of page