一人散策会
- 加藤 誓(ちかい)
- 2024年7月13日
- 読了時間: 3分
名東区の自然散策会は7月20日(土)であるが、その日会議予定で
参加できない。そこで「一人散策会」と勝手に称して7月10日(水)

牧野ヶ池緑地に出向いた。
最初に見つけたのが、「ワルナスビ」の群生である。名前の由来は葉や茎にトゲがあり、除草剤も効きにくく駆除に苦労するため悪茄子となり、また葉や茎、花や実が有毒でもあるため英国では「悪魔のトマト」と呼ばれているとか。
翌日同じ場所に行ったら、毒草駆除のためか綺麗に
刈ってあった。写真が撮れたのは、幸いであった。
どこかの老人会のクラブの人達がグラウンド・ゴルフをやっていた。会釈をし、いつものコースを進んだ。
そこは、藪である。「ヨウシュヤマゴボウ」が赤紫の花を付けていた。これは、食用の
「やまごぼう」「菊ごぼう」とは別物で、ただ根っこの形が似ているだけで、有毒であり、決して食してはいけない。秋には、赤紫の実が出来るがこれも有毒である。
その周りにつる草が茂っていた。星状の淡緑色と薄ピンクの花が付いている。これが、
駆除が容易に出来ない程繁殖力が強く、覆われた植物を枯らすため「ヤブガラシ」
(藪枯らし)と言う名前の厄介者である。
池の入り口には「ムクゲの花」「ハスのつぼみ」が例年通り穏やかに迎えてくれた。
緑地を巡回している職員の方が、池の西側工事のために池の水を抜いていると教えてくれた。
水辺まで行き、間近に「スイレンの花」を写真に収めることが出来た。
例年なら「ガガブタの花」もあるのだが水位低下のためか、見ることが出来なかった。
昨年、緑地の職員の方に「この場所にヌマトラノオが生えているので、刈り取りをしないでほしい!」と依頼したお陰か、岸辺に、立派な「ヌマトラノオの群生」を観ることが出来た。
暗い山道に入る。昨年より、キノコ類が少ない。それでも立派な「シロタマゴテングダケ」が生えていた。他のキノコも見つけたが、名前が分からない。
愛知カンツリーへの道をまたぎ、空地に入る。
「イヌビワ」と「ホソバイヌビワ」の実が色づき始めている。2年前の明徳公園散策会の時
教えてもらった「イヌビワコバチとの共生関係」(雌だけが受粉の手伝いをし、雄ハチは
羽がないので雄果内で一生を終える)を思い出した。
その脇に赤橙の花の「ヒメオオギスイセン」が生えていた。これも繁殖力が強い。
自由広場の方へ出かけた。「ナンキンハゼ」の樹木に黄緑色をした穂状の花がいくつも垂れ下がり美しい。
突然、吹奏楽器の音がした。地元の高齢者による楽団6~7名が「東京ブギブギ」を繰り返し練習していた。ここなら、大きな音量も迷惑にならないし、私には、心地良い音色で暫く立ち
止まって聞いていた。
その傍に清楚な白い花が一輪咲いていた。今日の最後の花となった。
通常の散策会なら、「これ何?」「何て言う植物?」「これ凄いね!」等など、賑やかにおしゃべりしながらの観察会である。今日は、静かな「一人散策会」であった。
その白い花の名前は「クチナシ」であった。


ご一緒に散策している気分で読ませていただきました。緑が沢山あるんですね。私の住む練馬も石神井公園など公園がありますが 野原はほとんど無いと思います。昔使った薬草の教科書は処分しがたくて まだ持っていますよ。涼しくなって虫の声を聴きながら公園を散策したくなりました。奥田英子