猪高緑地散策会と博士ちゃん
- 加藤 誓(ちかい)
- 2024年3月12日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年3月20日

「オオイヌノフグリで別名(星の瞳)と言います。」スタッフの 説明で「3 月の猪高緑地棚田コース
17名」の散策会が始まった。 他の2コースもあり総勢45名程の参加者であった。
笠を被って踊っている様の「ヒメオドリコソウ」を
見つけ、 しゃがんで写真を撮っていると、
突然「ベッコウダケだ!」と青い自転車ヘルメット着用の子が叫んだ。 「これは、樹木を枯らすキノコですよね。」同行者のひとりが、ひっつき虫のヤエムグラを その子の服に付けた。すると「これは輪生で、そこのアオキは十字対生ですよね。」
えっ、何それ!私は思わず、「僕、何年生?」
「4月から小学3年生になります。」 「凄く詳しいね!何で勉強しているの?」
「植物図鑑です。特にキノコが好きです。」
それから、枯れた倒木や切り株に生えているキノコを見つけると、 直ちに
「あっ、カワラタケだ!」「白センベイタケ、これはカイガラタケ!」
「僕、このキノコ は?」「マンネンタケです。」即答である。
今まで、何回か自然散策会に参加しているが、「キノコ類」の説明は余り聞いたことが
なく、 こちらから尋ねても「キノコは難しいので。」との返事で諦めていた。
スタッフの方も「これは何?」と小学生に聞いていた。「うーーん。○○の類と思いますが、 ハッキリしませんので帰ったら調べます。」(写真を撮ってはいないので目に焼き付けることが出 来るのだろうか!その能力に、またまたビックリ!)
スタッフの方が指をさし「これは、キクラゲだよね?」 「はい!毛が生えているので、アラゲキクラゲと言い、食べられます。」と。
土曜日テレビ番組に出てくる「博士ちゃん」そのものである。
博士ちゃんを取り囲んで詳しく観察する集団が自然と出来上がり、先頭を行くスタッフの方は その集団を何度も待たなければならず「急がないと12時過ぎるよ!」と催促していた。
「ムラサキハナナ」や「フラサバソウ」「タネツケバナ」など可愛い春の花をスタッフの方に教え てもらった。明徳公園で見たことがある珍しい「エンシュウムヨウラン」をここでも見つけた。
日当りの良い田んぼの土手には、まだ出始めの「セリ」や、なんと「ツクシ」が顔を
のぞか せ、アマガエルの小さなオタマジャクシも泳いでいた。
5 月苗代の頃に赤く色づくナワシログミの実はまだ青いが、確実に大きくなっており、
満開の河津桜 にも葉が出、まだ風は冷たいものの本格的な春が近づいているのを
知ることが出来た。
「春は名のみの♪♫」で始まる唱歌「早春賦」の3番の歌詞
「春と聞かねば知らでありしを、聞けば急(せ)かるる胸の思いを いかにせよとの この頃か いかにせよとの この頃か」(現代語訳)「春と聞かなかったら 知らないでいたものを 聞いて しまったから 気が急かされるこの思いを いったいどのようにしたらいいのだろう」を思い出 し口ずさんだ。
どうにか予定時刻に出発地点に戻ることが出来たが、スマホの写真を博士ちゃんに見せ 「これ、カエンダケだよ!珍しいでしょう!」別の方が「アミガサタケを見つけたよ!」と まだキノコ談義が続いていた。


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