top of page

秋よ! 来い‼


 9 月半ばとなったが、まだまだ朝から暑い。その為か昨年 より15名程少ない40数名で猪高緑地での名東区自然散策会 が始まった。

 先ずは集合場所の周りを観察した。 「クサギの白い花と紫の実」、「アオツヅラフジの実」があった。

 参加者は、二つのコースに分かれて出発した。

「井堀の棚田コース」は過日の台風10号の大雨で「塚の杁 池」経由が崩れて通れないとのことで「井堀大楠」経由で向か うこととなった。 このコースは大きな樹木に覆われた薄暗い

1Km 程の上り下りの道である。

 湿気はあるものの日陰で少し気温が低く、初秋の季語でもある「ひぐらし」が、ケケケ ケ・・・チッチッチッ カナカナカナ・・・と透き通った鳴き声が辺りに響き渡る。

  道脇に真っ白なキノコを発見。小学生の子が「シロオニタケだ!」と。

 それから、道脇を注意深く見るとあちこちにキノコが出ているのに気付いた。

「これは、キクバナイグチです。」少し行くと白い大きなキノコの群生があった。 キノコ博士ちゃんが「大きなシロテングタケです。」と目を輝かせて写真を撮る。

 「この黒いのは?」「それはミカワクロアミアシイグチで、毒キノコです。」

 「えっ、もう一回教えて!」補聴器を付けてはいるが、聞き取れない。やっとメモするこ とが出来た。

 「カモン、博士!これは?」「それは、小粒ではないですが、コツブタケとい います。」

 またまた、「カモン!」と呼ぶ。「これは珍しいものです。この緑色はアワタケ ヤドリというカビでイグチ類によく付きます。」

  湿った薄暗い小道も博士ちゃんのお陰で楽しく明るく通ることが出来た。 目的地の

「井堀の棚田」には稲穂が頭を垂れていた。 これが新米になる頃には「令和の米騒動」も収まることだろう。

 可憐な花の「キツネノマゴ」を見つけた。田んぼの淵には「ヒレタゴボウ」の黄色い花 が咲き誇り、その傍にひっそりと「オモダカ」の白い花。 あせ道には黄色の小さな花の「カタバミ」。キキョウ科の「ツリガネニンジン」の花は 土手に咲いていた。保護のため赤い布の目印が付いている。

 赤紫の良く目立つ花の「ミソハギ」があちこちに咲き乱れていた。

ハギはハギでも引っ付き虫の「ヌスビトハギ」は白っぽいのが古来の種で、ピンク色は 「アレチヌスビトハギ」といって外来種であること、そして名前の由来は、果実の形が

つま先で歩く盗人の足跡に似ているからとのことをスタッフの方から教えてもらった。

  棚田の奥には「ススキ」が穂を出していた。

 帰り道、花と紫の実が付いた「ヤブミョウガ」、淡紫色の穂状の花の「ヤブラン」、

茄子の花に似た「ワルナスビ」を見つけた。

 家に帰り、撮った写真の整理を始めた。その時ハッと気が付いた。

  今は写真で草花の様子を簡単に保存できるが昔は写生しかない。大変だっただろう。

  しかし苦労した分だけ、しっかり草花を観察したことであろうし、そして、それが着物の 図柄となり、更に図形化され家紋にも使われているようだ。

「今回観察した草花の家紋」 を調べてみた。

 勝ち草である「オモダカ」を図案化した毛利元就や 秀吉の「家紋」、 踏まれても生き

残る「カタバミ」にあやかった「家紋」、明智光秀の「桔梗家紋」、他にも 「萩家紋」、伊達政宗の「ススキ」の家紋などがあり、植物の特徴を良く捉えている。

 今年の猛暑は異常で、野山の草木も大変であったろうが、何となく秋がそこまで来て いることを感じた散策会であった。

 「秋よ!カモン‼」





閲覧数:3回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page