風呂と洗面台
- 加藤 誓(ちかい)
- 2022年11月30日
- 読了時間: 3分

現役の時は、夜遅くまで酒を飲むことが多かった。
そのため、風呂は朝入る習慣となり現在もそれは、
変わらない。
早朝5時半には目が覚め、パソコンや新聞に目を通す。それから、 お風呂のボタンを押す。
お湯が張るまでに髪を染める。染めなくても いいのだが、急に白くなるのもなんとなく違和感があり、2週間毎に 染めることにしている。
髪を洗い流し湯舟に浸かる。十分温かい湯で あるが、身体のどこかに痒みがないかをチェックするため更に
追い焚きをする。
後肩、胸、太股、足首など時に発赤が出る。
左太腿のどこかに痒みが出れば右側の対称の位置は 大丈夫か確認する。
名前が悪いが「老人性皮膚搔痒症」と言って何故か左右対称に出ることが多い。
原因は皮膚代謝の低下による皮脂やセラミドの低下、いわゆる乾燥肌である。
大したことではないと気にもせず自然に掻くことで、悪化してゆくのである。
長湯も皮膚に悪いので確認出来たら湯舟から上がる。
身体全体を保湿するのに一番手軽で安価なのが洗髪後に使うリンス、コンディショナーである。 お風呂の最後に髪をリンスし立って流せば出来上がり。
但し、床は滑りやすくなるのでしっかり 洗い流す。
そして、痒みの感じた所にリンデロン軟膏を塗る。背中で塗れない時は、料理用ゴムベラに 軟膏を付けて塗る方法があるが、私は女房に助けてもらっている。
冬の時期だけは、足のすねの部分と足首に馬油を塗る。これで、完璧な皮膚の保護が完成だ。

次に洗面台。髭剃りをし、髪を乾かし、三面鏡を見ながら隙間バサミと ハサミで散髪をする。
これで、もう、何年も床屋さんには行っていない。
それが済むと鼻うがい。
うがい薬は先ず1%ほどの塩水 200ml を作る。 生理食塩水である。そこへ色が付かないコルゲンコーワのうがい薬の 原液を1ml程入れ保存容器に入れる。
それをスプレー瓶に小分けし 鼻の穴にスプレーする。
鼻に水を入れると浸透圧で痛いが生理食塩水だと痛くないのだ。
それだけなのに、鼻うがいの市販品は 500ml で 1,400 円もする。
次に奥歯4か所だけは念入りに歯を磨く。
そしてうがい薬を念入りにクチュ クチュし、2度目 にゴロゴロする。
これで歯痛も予防出来る。
コロナは分からないが、口腔ケアでインフルエンザは 予防出来る。
インフルエンザが体内に入るには、細菌が出す酵素が要る。細菌を減らせば侵入を 減らすことが出来るのだ。
次にいよいよ、薄くなった髪を整える。以前は7:3に分けていたが今は8:2にして、 おでこを隠しているが、実は隠し切れていないのが悔しい。
そして、じっと老けた顔を眺める。眉毛が薄いが少しは毛が増えてないだろうか、
老斑、シミが 広がっていないか、口の周りが何だか、しわが増えたような気がする。
その時突然、目の周りに父親の顔、頬の辺りにお袋の顔が浮かび上がりハッとした。
歳をとると両親の顔が出てくるのだ。
両手で頬を何度か叩き我に戻った。
片隅の置時計を見た。7時30分であった。
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